派遣薬剤師の基礎知識

未経験から派遣薬剤師になることは可能?【失敗しないコツも紹介】

未経験から派遣薬剤師になることは可能?【失敗しないコツも紹介】
中田カナタ
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未経験でも派遣薬剤師になれるのか、知りたいと悩んでいませんか?

結論、未経験でも派遣薬剤師になれますが、注意点も複数存在するので注意が必要です。

本記事では、未経験から派遣薬剤師になれるのか、注意点、失敗せずに派遣薬剤師になるコツも合わせてご紹介するので、ぜひ参考にして下さい。

実際に転職サイトを利用して、病院薬剤師から派遣薬剤師(調剤薬局)に転職した経験を基にご紹介します。

未経験でも派遣薬剤師になれるのか?

結論、未経験でも派遣薬剤師になることは可能です。

派遣薬剤師の求人には「未経験OK」と記載されているものがあり、これらを参考に求人を探すと良いでしょう。

ただ、「未経験」と言っても、

  • 希望業種(調剤薬局)が未経験
  • 薬剤師業務が未経験

など、あなたの背景によって注意点や対策が異なりますので、個別にご紹介します。

なお、派遣薬剤師の病院への派遣が労働派遣法で原則禁止されている背景もあり、派遣薬剤師の勤務先は調剤薬局がメインとなります。

そのため、未経験から調剤薬局で派遣薬剤師を始めるケースを想定してご紹介します。

参考記事:派遣薬剤師とは?【職場別の働き方や派遣薬剤師のなり方も解説】

希望業種(調剤薬局)が未経験

希望業種が未経験とは、現職が病院薬剤師で、これから調剤薬局で派遣薬剤師を始めるケースです。

このケースでは、あなたに調剤経験があるため、仕事内容に大きなギャップもなく派遣薬剤師を始めることができます。

中田トモ
中田トモ

「注射」や「病棟業務」、「当直」が無いので、過去の経験によっては楽になったと感じるかも。

注意点は、「未経験業務を覚えるストレス」です。

  • 受付
  • 会計
  • OTC

受付・会計は病院では事務さんがいるので経験しない業務ですが、調剤薬局では対応する機会があります。

職場からの指導や派遣会社が提供する研修プログラムでスキルを習得する必要があり、ストレスを感じるかもしれませんが、大きく悩む必要はないでしょう。

薬剤師業務が未経験

薬剤師業務が未経験とは、現職が製薬メーカーや役所で、これから調剤薬局で派遣薬剤師を始めるケースです。

このケースでは、あなたに調剤経験がないので、いきなり派遣薬剤師を始めることはおすすめしません。

派遣薬剤師は「忙しい職場での即戦力」を期待されていることが多いです。

そのため、「これから調剤業務を覚えます!」というレベルであれば、

  • 派遣先の期待に答えられないストレス
  • 派遣打ち切りのリスク

などに直面してしまう可能性があります。

一度、パートなどで調剤経験を積んでから派遣薬剤師を考えた方が無難でしょう。

ただ、薬剤師免許を持っている限り、未経験でも派遣薬剤師を始めることは可能です。

すぐに派遣薬剤師として柔軟な働き方をしたい場合、転職エージェントに未経験である旨を伝え、基礎的な業務から始まり、徐々にステップアップが可能な職場を紹介してもらうことをおすすめします。

未経験から派遣薬剤師になる際のよくある質問

続いては、未経験から派遣薬剤師になる際のよくある質問をご紹介します。

覚えることが多くて大変?

未経験なので覚えることは多いですが、適切なサポートがあれば対応可能です。

通常、派遣会社は未経験者向けの研修プログラムを提供しており、基礎から応用まで段階的に学ぶことができます。

研修プログラムは派遣会社ごとに異なりますが、薬剤や疾患知識のみならず、実務内容から法律までe-Learningで学べる会社もあります。

また、派遣先が決まれば、対応医療機関の特性に合わせ、薬剤や疾患知識を事前学習しておくことで、より早期に派遣薬剤師として貢献できるでしょう。

もしくは、転職エージェントに相談し、前職で経験していた疾患領域に合わせた派遣先を紹介してもらうと、覚えることを減らすことも可能です。

休みは取れるのか?定時退社は可能か?

派遣薬剤師の休暇取得、定時退社は可能です。
当然、業務中の休憩時間も与えられます。

派遣会社との契約次第で違いはありますが、派遣薬剤師は正社員よりも柔軟に、プライペートを確保した働き方ができます。

休暇に関して、派遣薬剤師は「土日休み」など、休暇が固定されていることが一般的です。
加えて、派遣薬剤師でも育休産休、有給休暇の取得が法律で認められており、長期休暇の取得も可能。

休暇の取得基準や方法は、派遣会社によって異なるため、就業規則を必ず確認しましょう。

退社に関して、派遣薬剤師は基本的に残業を行いません。
派遣薬剤師は派遣会社所属であるため、派遣先からすれば別会社の人間です。

そのため、派遣先の規定で残業を指示することができず、定時退社で運用されることが一般的です。

しかし、時間外労働に関して、所属する派遣会社の規定で「派遣先の指示に従うこと」と記載されていることもあり、残業を指示された場合は個別に派遣先と相談する必要があります。

残業代が発生するので想定しずらいケースですが、残業指示がひどい場合は派遣会社への相談も検討しましょう。

中田トモ
中田トモ

子供の発熱でも安心ですが、急な休暇取得・シフト交代後も気持ち良く働けるよう派遣先での人間関係構築も大事!

未経験派遣薬剤師の時給が高い理由は?

未経験の派遣薬剤師の時給が高い理由は複数あります。

  • そもそも派遣社員の時給は高い
  • 急な欠員を埋めるため
  • へき地
  • 派遣会社が求人を獲得する手段にしている

そもそも派遣社員の時給が高い理由は、時給に賞与や退職金、住宅手当に相当する金額が含まれているためです。

2020年4月1日より改正労働者派遣法が施行され、「同一労働同一賃金」が導入となり、正社員と非正規社員の業務内容や雇用形態に対する待遇差解消を目指す動きとなっています。

そのため、正社員の給与をもとに派遣社員の時給が検討されているので、ボーナスや退職金の支給がない派遣社員では時給が高く設定されています。

また、「急な欠員を埋めるため」「へき地」で採用されることも多く、人手不足の場所で専門職としての即戦力が期待されるため、時給が高くなることもあります。

最後に、派遣会社が良い人材を集めて、競合他社との差別化を図るための手段として高い時給を提示していることもあります。

未経験者は高時給案件を選ばない方が良い?

未経験者が高時給案件を選ぶ際には注意が必要です。

高時給案件は即戦力としてのスキルや経験を求められることも多く、未経験者には難易度が高い場合があります。

業務の難しさに直面してストレスを感じたり、派遣先から認められず、派遣契約打ち切りのリスクも存在します。

ただ、未経験者が絶対に高時給案件を避けるべきではなく、未経験者でも対応可能な業務内容で、「へき地」が理由で高時給案件になっている、などもあります。

時給だけで求人を選ばず、勤務時間や勤務地なども含めて総合的に検討し、転職エージェントに相談することをおすすめします。

未経験から派遣薬剤師になる際の注意点

続いては、未経験から派遣薬剤師になる際の注意点や心得をご紹介します。

「未経験OK」の求人を参考に選ぶ

未経験から派遣薬剤師になる場合、「未経験OK」の求人を参考に選ぶことが重要です。

これらの求人は、未経験者でも安心して働けるように研修制度やサポート体制が整っていることが多いです。

求人情報を良く確認し、転職エージェントにも相談し、自分に合った職場環境を見つけることが成功の鍵となります​。

調剤薬局がメインであると理解する

派遣薬剤師として働く場合、調剤薬局が主な勤務先となることを理解しておく必要があります。

これは、派遣薬剤師の病院への派遣が労働派遣法で原則禁止されている背景があるためです。

どうしても病院で勤務したい場合は、転職エージェントに相談しましょう。
求人数は少ないですが、「紹介予定派遣」であれば、病院でも勤務することが出来ます。

中田リョウ
中田リョウ

紹介予定派遣とは、一定期間派遣で働いてから正社員・パートとして採用される制度のことです。

しかし、就職することが前提のため、将来的には派遣薬剤師として柔軟な働き方が出来なくなることも想定しなければなりません。

参考記事:派遣薬剤師でも病院で勤務できるのか?【勤務条件や業務内容も紹介】

転職エージェントに相談する

未経験から派遣薬剤師になる場合、転職エージェントに相談することが有効です。

転職エージェントは、未経験者向けの求人情報を豊富に持っており、個々のスキルや希望に応じた最適な派遣先を紹介してくれます。

また、面接対策や履歴書の書き方など、転職活動に必要なサポートも受けることができます。

これにより、未経験者でもスムーズに派遣薬剤師としてのキャリアをスタートさせることが可能です。

失敗せずに派遣薬剤師になるコツ

続いては、失敗せずに派遣薬剤師になるコツをご紹介します。

複数の転職サイトに登録する

1つ目は、複数の転職サイトに登録し、あなたの希望に合った求人を探すことです。

各転職サイトには、「求人数」「対象地域」「福利厚生」「コンサルタントの質」、その他条件で得意・不得意があります。

コンサルタントの質に関しては、人と人の相性なので、同じ転職サイトを使ってもネットの口コミやイメージ通りの結果にならないこともあるでしょう。

そのため、全社の得意を自分のものに出来るよう複数の転職サイトに登録し、あなたの希望に合った求人を探すことが重要です。

加えて、あなたの希望や自己PRを明確にしておくことで、コンサルタントが理想的な求人を探してくれるため、自己分析や情報整理もコツになります。

大手企業に登録する

2つ目は、大手派遣会社に登録することです。

大手企業は、豊富な求人情報と充実したサポート体制を提供しており、未経験者でも安心して働くことができます。

また、大手企業は信頼性が高く、派遣先との契約条件や労働環境の調整についても安心して任せることができます。

加えて、派遣後にトラブルがあり、派遣先と交渉する必要が出てきた際、大手企業の交渉力が頼りになる可能性もあります。

派遣未経験の薬剤師におすすめの派遣会社

最後に、派遣未経験の薬剤師におすすめの派遣会社をご紹介します。

ファルマスタッフ

引用:公式HPより

1つ目は「ファルマスタッフ」です。
日本調剤グループが運営する薬剤師専門の転職サイト。

ファルマスタッフに登録するメリットは下記の通り。

  • 全国12拠点から地域密着のサポートが期待できる。地方求人にも強みを持つ。
  • 希望条件の聞き取りや面接同行まで、転職希望者と「会う姿勢」を持ったコンサルタントの評価が高い。
  • 大手調剤チェーンのノウハウを活かした教育サポートが受けられる。

ファル・メイト

引用:公式HPより

2つ目は「ファル・メイト」です。

ファル・メイトに登録するメリットは下記の通り。

  • 派遣求人数が薬剤師転職サイトの中でトップクラス。
  • 高時給案件が多い(関西・関東エリアなら2,800円を最低保証+交通費全額支給)
  • 「エキスパート薬剤師」という独自の高待遇契約がある

ヤクジョブ

引用:公式HPより

3つ目は「ヤクジョブ」です。
医療、福祉分野に特化した人材紹介・派遣会社であるクラシスの薬剤師転職サイト。

ヤクジョブに登録するメリットは下記の通り。

  • 調剤薬局を中心に派遣求人数が多い。
  • 全国47都道府県の求人を取り扱っている。
  • ヤクジョブだけが持つ非公開求人も存在する
中田リョウ
中田リョウ

複数サイトへ登録し、希望求人やコンサルタントとの相性を探るのが成功のポイント!

まとめ

未経験から派遣薬剤師になることは挑戦ですが、適切なサポートと準備があれば可能です。

未経験OKの求人を探し、信頼できる派遣会社を選び、必要なスキルを積極的に学ぶことが成功の鍵です。

多くの派遣会社が提供する研修プログラムを活用し、柔軟な働き方を実現することで、仕事とプライベートのバランスを保ちながらキャリアを築くことができます。

本記事が派遣薬剤師への転職を考えるあなたの参考になっていれば幸いです。

ABOUT ME
中田リョウ
中田リョウ
30代男性/製薬会社勤務(全国転勤あり)/薬剤師/妻の派遣薬剤師への転職経験を軸に「派遣薬剤師になるための情報」を発信
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