【転職基礎知識】派遣薬剤師でも社会保険に加入できるのか?

【転職基礎知識】派遣薬剤師でも社会保険に加入できるのか?
中田カナタ
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派遣薬剤師が社会保険に加入できるのか知りたいと悩んでいませんか?

結論、派遣薬剤師も正社員同様に社会保険に加入できます。
ただ、派遣会社ごとに保険料の違いが存在するので、転職活動をする上で知っておくことは重要です。

また、社会保険は公的保険のため、転職有無に限らず、社会人として学んでおいて損はありません。

本記事では、社会保険の概要や派遣薬剤師の社会保険加入条件、各派遣会社の違いをご紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。

実際に転職サイトを利用して、病院薬剤師から派遣薬剤師に転職した経験を基にご紹介します。

社会保険とは?

社会保険とは、国民が健康や生活におけるリスク(病気や怪我、高齢、失業など)に対処するための公的保険制度です。

派遣薬剤師は派遣会社の所属になるので、派遣先(薬局)では無く、派遣会社の社会保険に加入します。

具体的には、下記5種類の保険を指します。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労働者災害補償保険

厳密には、健康保険と厚生年金保険、介護保険の3つを社会保険、雇用保険と雇用保険と労働者災害補償保険の2つを労働保険と言いますが、「社会保険=5つの保険」で紹介されていることもあります。

健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険の保険料は、従業員と会社が折半して支払うことが一般的で、給与から控除されます。

派遣薬剤師でも社会保険に加入できる

結論、社会保険の適用事業所で働き、雇用期間が2ヶ月を超えて週20時間以上勤務する予定なら、社会保険に加入可能です。

引用:社会保険適用拡大ガイドブックより

薬剤師の派遣会社は基本的に適用事業所であり、フルタイム勤務であればほとんどの場合この条件を満たします。

週20時間未満のパートタイム勤務や1~2ヶ月の短期間勤務、単発派遣の場合、加入条件の対象外になる可能性があるので、個別に派遣会社に確認が必要です。

社会保険の詳細と加入条件

続いては、社会保険の詳細と加入条件についてご紹介します。

健康保険

健康保険は、病気やケガに備えて加入する医療保険です。

加入条件社会保険の適用事業所に雇用され、以下に当てはまる人
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
給付の種類・療養の給付(診察、薬剤、処置・手術などの費用補助)
・高額療養費(自己負担限度額を超えた費用補助)
・出産育児一時金(出産時の費用補助) など
保険料の支払い加入者と勤務先で負担
参考:厚生労働省HPより

配偶者や子どもなど、扶養家族がいる場合は、その家族も被保険者として健康保険の適用を受けることができます。

派遣薬剤師でも健康保険証を貰えるのか?

派遣薬剤師でも、社会保険に加入していれば健康保険証を受け取ることができます。

介護保険

介護保険は、介護が必要になったときに備える社会保険で、40歳以上の方は全員加入します。

加入条件40歳以上の健康保険加入者全員
・第1号被保険者:65歳以上の人
・第2号被保険者:40歳以上65歳未満の人
給付の種類・在宅サービス(訪問介護、デイサービスなど)
・地域密着型サービス(夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護など)
・施設サービス(介護老人福祉施設への入所) など
保険料の支払い加入者と勤務先で負担
参考:厚生労働省HPより

介護保険の受給対象は65歳以上の方ですが、特定疾病により要介護(要支援)認定を受けた40~64歳の方も利用可能です。

介護保険は、40歳になった月から医療保険と一緒に徴収されます。

厚生年金保険

厚生年金保険は、高齢になり働いて収入を得るのが難しくなったときに備える、公的年金です。

加入条件社会保険の適用事業所に雇用され、以下に当てはまる人
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
給付の種類・老齢厚生年金(老齢基礎年金に上乗せされる年金)
・障害厚生年金(障害基礎年金に該当する障害が生じた際に上乗せされる年金)
・遺族厚生年金(死亡した際、遺族に支給される年金) など
保険料の支払い加入者と勤務先で負担
参考:日本年金機構HPより

加入条件は健康保険と同様で、合計で10年間厚生年金保険に加入すると、原則65歳以降に老齢厚生年金を受給できます。

健康保険と同様、厚生年金保険の保険料は、加入者と勤務先が半分ずつ負担します。

雇用保険

雇用保険は、働く人が失業・休業した際に必要な給付を行う社会保険です。

加入条件雇用保険の適用事業所に雇用され、以下に当てはまる人
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用見込みがあること
給付の種類・基本手当/失業手当(次の就職先が決まるまで生活保障として支給)
・傷病手当(病気や怪我で仕事が出来ない場合に支給)
・教育訓練給付金(指定の教育訓練を受講した際に支給) など
保険料の支払い加入者と勤務先で負担
参考:厚生労働省HPより

雇用の安定や就職の促進が目的で、教育訓練のための給付も支給しています。

雇用保険の保険料は社員も支払うものの、雇用主である会社の方が多くの保険料を支払うので、負担は比較的軽いといえます。

労働者災害補償保険

労災保険は、仕事が原因の災害や通勤時の事故が起きた際に、労働者に対して給付を行う社会保険です。

加入条件労働者を1人でも雇用している事業所で勤務
給付の種類仕事上や通勤によるケガや病気に対して、必要な保険を給付
保険料の支払い全額勤務先が負担
参考:厚生労働省HPより

労災保険の保険料は全額事業主(勤務先)が支払う決まりなので、社員の保険料負担はありません。

派遣会社が加入している組合の健康保険料の比較

派遣会社が加入している組合の健康保険料の比較をご紹介します。

健康保険組合健康保険料/月
薬キャリ関東ITソフトウェア健康保険組合14,250円
ファルマスタッフ東京薬業健康保険組合14,550円
ファルメイト全国健康保険協会14,970円
引用:各社HPより(月額30万円、40歳未満の従業員負担金額)

派遣会社の比較によく用いられる健康保険料ですが、上記の通り1,000円/月も変わらないのが現状です。

そのため、派遣会社を選ぶ際は健康保険料だけでは選ばず、求人情報の勤務形態や時給、休みなどの待遇も考慮すべきです。

土日祝日が休みで子供と過ごせる、夕方は17時には帰社できるなど、月1,000円以上の価値がある場合もあります。

派遣薬剤師の福利厚生は充実しているのか?

福利厚生で派遣会社を選ぶなら大手が安心です。

社会保険は法律で定められた福利厚生なので、どこの派遣会社でもしっかり受けることができます。

福利厚生は派遣会社によって違いがあり、映画館の割引やスポーツジムの割引など、法定外の従業員メリットがあります。

薬剤師転職で重要なことは、求人情報の勤務形態や待遇があなたのニーズに合うかどうかです。
福利厚生で補える部分があるか、各社の違いを調べてみることもオススメします。

まとめ

本記事では、派遣薬剤師でも社会保険に加入できるのか、についてご紹介しました。

結論、派遣薬剤師でも条件を満たせば社会保険に加入することができ、保険証を受け取ることも可能です。

派遣会社が加入している健康保険組合によって健康保険料に差はありますが、保険料のみならず、時給や勤務時間を含めた待遇なども考慮して派遣会社を選ぶことが重要です。

本記事が派遣薬剤師への転職を考えるあなたの参考になっていれば幸いです。

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中田リョウ
中田リョウ
30代男性/製薬会社勤務(全国転勤あり)/薬剤師/妻の派遣薬剤師への転職経験を軸に「派遣薬剤師になるための情報」を発信
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