地方でも派遣薬剤師は可能!給与や住居付きなど気になる点を完全ガイド


地方で派遣薬剤師ってできるのかな?都市部で働くのと何が違うんだろう…。
そう思って調べてはみるものの、いまいち具体的なイメージが湧かず、不安と期待が入り混じっていませんか?
結論、地方で派遣薬剤師として働くことは十分に可能です。
そして、都市部での働き方とは、給料、住む場所、得られる経験において、大きな違いがあります。
本記事では、「地方でも派遣薬剤師は可能なのか?」という疑問への答えはもちろん、地方の好条件な求人に巡り合える「おすすめの派遣会社」まで具体的にご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人

名前 / Nakata Ryo
中田 リョウ
実績 / Achievements
薬剤師。「妻の派遣薬剤師経験」×「派遣薬剤師経験者へのインタビュー」をもとにリアルな情報を発信。現在のインタビュー数は5名。
地方でも派遣薬剤師として仕事ができるのか?

地方でも派遣薬剤師としての勤務は十分に可能です。
特に薬剤師不足が課題となっている地域では、派遣という形で人材を確保する動きが活発で、求人件数も安定して存在しています。
地方勤務の魅力としては、高時給・好待遇(住居付きなど)・勤務条件の柔軟さが挙げられます。
都市部に比べて競争が少なく、即戦力として歓迎されるため、自分の希望に合った働き方を選びやすい点もメリットです。
一方で、公共交通機関の便や生活環境は都市部と異なるため、注意点も存在します。
そのため、給与や住居の条件だけでなく、生活全体を見据えて判断することが大切です。
新しい環境で理想のキャリアを築くためにも、まずは情報収集から始めてみましょう。
地方の派遣薬剤師の給与相場は?

地方は都市部よりも薬剤師が不足しているため、給与相場が高めに設定される傾向があります。
求人によって差はありますが、スキルや経験を活かして好条件の案件を見つけることができれば、都市部で働くよりも高い収入を得ることも不可能ではありません。
都市部と地方で時給に差はある?
薬剤師不足を背景に、地方では都市部以上の時給が設定されることも少なくありません。
都市部の派遣時給が3,000円前後から見られるのに対し、地方では時給3,500円〜4,500円、離島やへき地など緊急性の高い求人では時給5,000円を超えるケースも見られます。
同じ地方でも、業務内容(一人薬剤師、管理薬剤師兼務など)や必要なスキルによって時給は変動します。
人材確保のためにインセンティブが上乗せされ、都市部より高条件になる傾向があります。
高時給の求人が多い地域はどこ?
地方の派遣求人数は少ないものの、東北、甲信越、北陸、中国、四国などのエリアでは高時給の求人割合が高くなる傾向にあります。
派遣求人数 | 時給4,000円以上の求人数 | |
---|---|---|
北海道 | 24件 | 0件 |
東北 | 76件 | 16件(21%) |
関東 | 1,191件 | 9件(1%) |
信越・北陸 | 22件 | 6件(27%) |
東海 | 23件 | 9件(39%) |
近畿 | 346件 | 19件(5%) |
中国 | 24件 | 1件(4%) |
四国 | 16件 | 5件(31%) |
九州・沖縄 | 164件 | 5件(3%) |
特に医療機関へのアクセスが限られる地域や離島などでは、好条件を提示して募集されるケースが多くなっています。
季節や繁忙期によっても求人状況は変動するため、タイミングを見て応募することもポイントです。

派遣薬剤師求人の繁忙期は12月~5月頃であり、時給も上がる傾向があります。
年収や手取りはどれくらい?
例えば、高時給案件で時給4,000円×8時間×月20日勤務した場合、月収は64万円、年収換算で約768万円となります。
ここから社会保険料や税金が引かれますが、住居費が無料の求人であれば、家賃分の支出(都市部なら7〜10万円程度)が丸ごと浮く計算です。
そのため、額面の年収が同じでも、手元に残るお金(可処分所得)は地方勤務のほうが多くなることが珍しくありません。
都市部(例:東京) | 地方(高時給エリア) | |
---|---|---|
時給相場 | 3,000円前後 | 3,500円~4,500円 |
月収例 | 約48万円 | 約64万円 |
家賃相場(1K) | 7万円~10万円 | 0円(会社負担)または3~5万円 |
メリット | 求人数が多い、交通が便利 | 高収入、生活費が安い、好条件 |
デメリット | 家賃が高い、競争が激しい | 求人が探しにくい、車が必須 |

短期的に高収入を得るには地方が有利ですね。
「住居付き」ってどんな内容?

派遣薬剤師が安心して地方生活をスタートできるよう、派遣会社や勤務先が家具・家電付きの住居などを手配してくれる制度です。
引越しの手間や初期費用を大幅に削減できるため、非常に人気の高い条件です。
どんな住居が用意されている?(マンション・社宅など)
レオパレスやマンスリーマンションのような、生活必需品(ベッド、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど)が揃ったワンルームや1Kのアパートが一般的です。
派遣先によっては、職場から徒歩圏内の物件(ホテル含む)が用意されることもあります。
まれに、家族帯同者向けに広めのアパートや一軒家を用意してくれるケースもあります。
家賃や光熱費の負担範囲は?
多くのケースで家賃は派遣会社が全額負担し、水道光熱費やインターネット通信費は自己負担となるのが一般的です。
ただし、「家賃補助は月5万円まで」といった上限が設定されている場合や、駐車場代が自己負担となる場合もありますので、契約前に必ず負担範囲を書面で確認しましょう。
住居付き求人で注意すべきこと
事前に「物件の場所」「部屋の設備」「築年数」は必ず確認しましょう。
特に、インターネット環境(速度)、スーパーやコンビニまでの距離、携帯電話の電波状況は、生活の快適さを大きく左右します。
内見は難しい場合がほとんどなので、Googleストリートビューで周辺環境を確認したり、担当コンサルタントに詳しく聞いたりすることが重要です。
地方で派遣薬剤師として働くメリット

続いては、地方で派遣薬剤師として働くメリットをご紹介します。
高時給・好条件で効率よく稼げる
地方では薬剤師不足が深刻なため、高時給の求人が豊富です。
特にへき地や離島では都市部よりも時給が高く設定されており、効率的に収入を得ることができます。
また、住居や交通費が支給される求人も多く、実質的な手取り額が増える点も大きなメリットです。
生活コストを抑えながら安定した働き方が可能
住居付き案件では家賃や光熱費が無料または補助されることがあり、生活費を大幅に抑えることが可能です。
地方の職場では勤務時間やシフト調整が柔軟に対応されやすく、プライベートの時間を確保しやすい傾向にあります。
ライフスタイルに合わせた働き方とやりがい
地方では単発・短期・期間限定の案件も多く、ライフスタイルに応じた自由な働き方が選べます。
医療従事者が不足している地域で働くことで、地域医療に貢献できるやりがいも得られます。
患者一人ひとりとの距離が近く、きめ細やかな医療サービスを提供できることも、仕事の充実感につながります。
地方で派遣薬剤師として働くデメリット

続いては、地方で派遣薬剤師として働くデメリットをご紹介します。
求人の選択肢が限られる
都市部に比べると求人の総数は少なく、希望のエリアや条件(「土日休み」「残業なし」など)に完全に合致する求人は見つけにくいかもしれません。
また、勤務地が限られるため、希望するエリアで仕事を見つけられないことも考えられます。
ある程度の条件は妥協するなど、柔軟な姿勢も必要になります。
車通勤が前提となるケースが多い
地方は公共交通機関が発達していない地域が多く、自家用車での通勤が基本になることが多いです。
勤務地によっては長距離通勤や交通費の自己負担が発生する場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
ペーパードライバーの方や、雪道・山道の運転に不慣れな方は、事前に運転の練習をしておくなど、安全面での準備が欠かせません。
キャリア形成やスキルアップに課題も
最新の医療情報に触れるための研修会や勉強会は、都市部に比べて圧倒的に少ないのが現実です。
そのため、派遣会社が提供するe-ラーニング制度を活用したり、オンラインのセミナーに参加したりと、自ら積極的に学ぶ姿勢がキャリアを維持する上で重要になります。
地方で派遣薬剤師をする際に気をつけたいこと

後悔しないために、契約を結ぶ前に必ず確認しておくべき重要事項があります。
ここでは、特に注意したい「契約内容」「費用負担」「社会保険」の3つのポイントを解説します。
契約期間と更新の有無
「繁忙期の3ヶ月だけ」といった短期契約の場合、その後の更新がない可能性も考慮しておく必要があります。
長期的な勤務を希望する場合は、契約更新の実績があるか、正社員登用の可能性はあるかなどを事前に確認しましょう。
赴任費・交通費の支給条件
赴任費用(引越し代や現地までの交通費)が支給されるか、上限はいくらか、立て替え払いか事前支給かなど、細かい規定を確認しましょう。
車通勤の場合、ガソリン代の精算方法(距離計算か実費か)もチェックポイントです。
社会保険・福利厚生の確認
派遣薬剤師の社会保険や福利厚生は、勤務先の薬局ではなく、登録している派遣会社(派遣元)のものが適用される、という点が重要なポイントです。
どの派遣会社に登録するかで、加入する健康保険組合や、利用できる福利厚生(健康診断のオプション、e-ラーニングなど)が異なります。
週20時間以上といった加入条件を満たすのはもちろんですが、会社ごとの制度の違いも登録時に必ず確認しましょう。
派遣薬剤師に関するよくある質問

地方での派遣薬剤師の働き方についてよくある質問にお答えします。
派遣薬剤師は単発で働くことも可能?
可能です。
地方でも1日だけの単発勤務や、1〜3ヶ月程度の短期派遣といった働き方が選べます。
注意点として、法律で30日以内の日雇い派遣は原則禁止されています。
しかし、「60歳以上の方」「学生」など、いくつかの例外条件を満たす場合は勤務できます
ご自身の状況で勤務可能かどうかは、派遣会社に確認してみましょう。
参考記事:派遣薬剤師として単発派遣で働く条件や方法を紹介!【法律違反に注意】
派遣薬剤師の年収はどれくらい?
年収は勤務地や時給、働き方によって大きく異なります。
地方では薬剤師不足から高時給の求人が多く、年収600万〜700万円以上を得ることも可能です。
特に住居費補助などの福利厚生が充実している求人を選べば、都市部で働くよりも生活費を抑えられるため、可処分所得(自由に使えるお金)が多くなるケースも少なくありません。
参考記事:派遣薬剤師の年収は?職場ごとの違いと年収の高め方!
薬剤師は派遣禁止と聞くが本当か?
「薬剤師の派遣は禁止」というのは一部の情報が誤って伝わったものです。
労働者派遣法により、病院・診療所・助産所・介護老人保健施設など、医療提供施設における一部の業務(医師、歯科医師、薬剤師など)は、紹介予定派遣を除き禁止されています。
しかし、調剤薬局やドラッグストアなどでの派遣勤務は合法であり、産休代替や繁忙期の人員補充として広く活用されています。
参考記事:派遣薬剤師でも病院で勤務できるのか?【勤務条件や業務内容も紹介】
「住居付き」案件で家族と一緒に住める?
住居付き求人は単身者向けのワンルームが基本ですが、中には家族での入居が可能な広めの物件を用意しているケースや、自分で探した物件の家賃を補助してくれるケースもあります。
家族帯同を希望する場合は、必ず事前に派遣会社へ相談し、対応可能な求人があるか確認しましょう。
失敗せずに派遣薬剤師になるコツ

最後に、失敗せずに派遣薬剤師になるコツをご紹介します。
複数の転職サイトに登録する
派遣会社ごとに、得意なエリアや持っている求人の種類が異なります。特に好条件の「非公開求人」は、登録しないと紹介してもらえません。
複数登録することで、より多くの選択肢から最適な求人を選べます。
また、担当コンサルタントとの相性も重要なので、「レスポンスは速いか」「親身に相談に乗ってくれるか」を見極めるためにも、2〜3社に登録するのが賢い方法です。
大手企業に登録する
大手の派遣会社は全国にネットワークを持ち、地方求人の実績も豊富です。
労務管理や福利厚生の制度がしっかりしており、万が一のトラブル時にも適切に対応してくれるため、初めて地方で働く方でも安心です。
まずは気軽にキャリア相談から始めてみましょう。
地方でもおすすめの薬剤師派遣会社

地方での派遣薬剤師としての仕事探しには、信頼できる派遣会社を利用することが重要です。
特に、地方特有の求人や条件に精通した派遣会社を選ぶことで、効率的に仕事を見つけることができます。
ファルマスタッフ

「ファルマスタッフ」は、全国展開の派遣会社であり、地方の調剤薬局やドラッグストアにも豊富な求人を持ち、各地で派遣薬剤師をサポートしている大手派遣会社です。
地方に支店が存在し、全国各地の派遣薬剤師のキャリア形成を支援しています。
「ファルマスタッフの評判・口コミ」について詳しく知りたい方は下記記事も合わせてご覧ください。

▲登録後は相談だけでも大丈夫!▲
ファル・メイト

「ファル・メイト」は、全国展開の派遣会社であり、派遣薬剤師の公開求人数が約5,000件(※2025年2月時点)であり、他社と比較して2倍以上の求人情報を保有しています。
地方の単発派遣も取り扱っており、派遣薬剤師を目指す方にはおすすめの派遣会社です。
「ファル・メイトの評判・口コミ」について詳しく知りたい方は下記記事も合わせてご覧ください。

▲登録後は相談だけでも大丈夫!▲
ヤクジョブ

「ヤクジョブ.com」は、全国展開している派遣会社で、地方の派遣薬剤師求人にも強みがあります。
地方での派遣求人はもちろん、単発派遣や短期派遣など、さまざまな働き方に対応しているため、地方でも自分に合った求人を見つけやすいのが特徴です。
まとめ
地方での派遣薬剤師は、高時給や住宅補助といった好条件の求人が多く、収入と生活の両面で満足度の高い働き方を実現できる、非常に有望な選択肢です。
もちろん、見知らぬ土地での生活には不安もあるでしょう。
しかし、交通手段や契約条件といったポイントを事前にしっかり確認し、信頼できる派遣会社のサポートを受ければ、その不安は解消できます。
都会の喧騒から離れて、自分らしいペースで働き、地域医療に貢献する。そんな新しいキャリアに挑戦してみませんか。
その勇気ある一歩が、あなたの人生をより豊かにするかもしれません。
まずは派遣会社に話を聞いてみることから、新しい未来をスタートさせましょう。