派遣薬剤師の仕事と悩み

派遣薬剤師の年収は?職場ごとの違いと年収の高め方!

派遣薬剤師の年収は?職場ごとの違いと年収の高め方!
中田カナタ
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薬剤師としてのキャリアを考える際、年収は大きな要素となります。

特に、現在の職場に不満がある場合、年収の改善を図るためにはどのような働き方が最適なのかを知ることが重要です。

今回は「派遣薬剤師」の年収に焦点を当て、病院、ドラッグストア、調剤薬局などの勤務先による違いや、派遣薬剤師としての年収を最大化するための方法について詳しく解説します。

自分のキャリアに合った選択をするために、ぜひご一読ください。

この記事を書いた人

名前 / Nakata Ryo  
中田 リョウ
実績 / Achievements
薬剤師。「妻の派遣薬剤師経験」×「派遣薬剤師経験者へのインタビュー」をもとにリアルな情報を発信。現在のインタビュー数は5名。

派遣薬剤師の年収は?

早速、派遣薬剤師の年収を職場別にご紹介します。
派遣薬剤師の年収計算はシンプルで、「勤務時間×時給」となります。

派遣薬剤師の年収計算の基本

年収の参考値を出すための勤務時間は、9:00~17:00(1時間休憩)、月曜日~金曜日勤務の4週間で月140時間勤務で計算しています。

調剤薬局の場合

調剤薬局の派遣薬剤師の平均時給は3,000円とされており、平均年収は504万円となります。

調剤薬局は派遣薬剤師にとって最もポピュラーな派遣先です。
調剤業務が中心のため、スキルを磨くチャンスが多く、経験を積みたい薬剤師にとっては魅力的な職場と言えるでしょう。

また、地方の調剤薬局では都市部よりも時給が高く設定されることがあり、これを狙うことで年収アップを期待できます。

ドラッグストアの場合

ドラッグストアの派遣薬剤師の平均時給は2,700円〜3,000円とされており、平均年収は453万〜504万円となります。

ドラッグストアは調剤業務に加えて、OTC(一般用医薬品)の販売も行うため、接客スキルが求められる場面も多くなります。
調剤業務以外にも幅広い知識が必要な分、時給が高めに設定されるケースもあります。

また、土日祝日に働ける場合はさらに時給が上がることもあるため、フレキシブルな働き方ができる人には魅力的な選択肢です。

病院の場合

病院の派遣薬剤師の平均時給は2,500円〜3,000円とされており、平均年収は420万〜504万円となります。

病院での派遣薬剤師は、調剤業務に加えて、入院患者の服薬指導や医師とのコミュニケーションが求められるため、専門的なスキルを活かすことができます。

特に病院薬剤師の経験がある人は派遣でも重宝されることが多く、勤務先によっては高時給が期待できます。
また、夜勤がある場合は時給がさらに上がることもあります。

ただし、薬剤師の病院派遣は労働派遣法第四条で規制されており、特定の条件を満たした場合のみ可能なので注意が必要です。

求人が限られているため、希望する場合は派遣会社の転職エージェントに相談するのがポイントです。

参考記事:派遣薬剤師でも病院で勤務できるのか?【勤務条件や業務内容も紹介】

派遣薬剤師とその他の働き方で年収は違う?

続いて、派遣薬剤師とその他の働き方で年収は違うのか、ご紹介します。

正社員薬剤師との比較

正社員薬剤師の平均年収は、583.4万円(内訳:給与497.5万円、賞与85.6万円)となっています。
派遣薬剤師と大きく変わりませんが、正社員薬剤師の方が平均年収は高くなっています。

正社員は雇用の安定やボーナス、各種手当の充実が魅力ですが、残業を含めた長時間労働や転勤のリスクが伴う場合もあります。

また、派遣薬剤師は勤務地などによっては高時給になることがあり、正社員の年収を上回るケースも存在します。

パート(アルバイト)との比較

パート薬剤師の平均時給は1,800円〜2,500円程となっており、平均年収は派遣薬剤師の方が高くなっています。

しかし、派遣薬剤師には「派遣期間」が存在するため、一定期間ごとに雇用が終了するリスクがあります。
そのため、次の勤務先が見つからなければ一時的に無収入になる可能性もあり、雇用の不安定さがデメリットです。

一方で、パート薬剤師は勤務先と直接雇用契約を結ぶため、長期的に安定した雇用を得られるのがメリットです。
特に家庭の事情や育児と両立しながら働きたい方にとっては、パート薬剤師の安定性は魅力的なポイントとなります。

派遣薬剤師とパート薬剤師の違い


総合的に見ると、短期間で効率よく高収入を得たい方には派遣薬剤師、安定した雇用を重視する方にはパート薬剤師が適していると言えます。

派遣薬剤師はなぜ年収が高い?

派遣薬剤師の年収が高い理由の一つは、時給が非常に高く設定されていることです。
一般的な正社員薬剤師の平均年収は約583.4万円ですが、これは給与497.5万円と賞与85.6万円の合計です。
一方で、派遣薬剤師はボーナスがない代わりに、時給が高く設定されており、短期間で効率的に収入を得ることが可能です。

派遣薬剤師の高時給の理由

派遣薬剤師の高時給は即戦力として期待されていることが理由の一つです。
派遣先は人手不足を補うため、即座に現場で活躍できるスキルを持つ薬剤師を求めています。
そのため、経験やスキルのある派遣薬剤師には高時給が提示されるケースが多くあります。

また、派遣薬剤師は勤務条件が柔軟であるため、時給が上がりやすい環境にあります。
例えば、短期の派遣や土日祝日勤務、夜勤がある場合は時給がさらに高くなる傾向があります。
このように、派遣薬剤師の働き方の柔軟性も年収の高さに影響しています。

一方で、派遣薬剤師はボーナスが支給されないため、賞与込みの正社員の年収には劣るケースもあります。
しかし、転勤や長時間労働のリスクが少なく、効率的に収入を得られる点が大きな魅力です。

派遣薬剤師が高い年収を得るためには

続いては、派遣薬剤師が高い年収を得るための方法をご紹介します。

時給が高い職場を選ぶ

派遣薬剤師が高い年収を得るためには、時給が高い職場を選ぶことが重要です。
調剤薬局やドラッグストア、病院など、派遣先によって時給は異なります。

地方の薬局や専門性が問われる求人は特に高時給が提示されることが多くあります。
時給3,600円以上の案件を狙うことで、年収600万円以上も目指すことが可能です。

夜間求人に応募する

派遣薬剤師の求人の中には、夜間勤務の案件があり、これらは通常より時給が高く設定されています。
夜勤は体力的な負担があるため、応募する薬剤師が少ない分、時給が上がる傾向があります。

ただ、派遣薬剤師の夜間求人は非常に稀であるため、希望する際は転職エージェントに相談してみましょう。

ニーズの高い職種で働く

派遣薬剤師が高収入を得るためには、ニーズの高い職種を選ぶこともポイントです。
例えば、在宅医療や病棟業務の派遣案件などは、通常の調剤業務よりも専門性が求められるため、高時給が提示されることがあります。

また、地方の薬局や人手不足のエリアでの派遣業務も高時給になる傾向があります。
こうしたニーズの高い職種に応募することで、年収アップを狙うことが可能です。

派遣薬剤師の年収に関する注意点

最後に、派遣薬剤師の年収に関する注意点をご紹介します。

休んだ分だけ年収が下がってしまう

派遣薬剤師は時給制であるため、休んだ分だけ収入が直接減少します。
体調不良や家庭の事情で休むと、年収に大きな影響を与える可能性があります。

特に、長期間の休暇を取る場合には、想定していた年収が大幅に下がってしまうリスクがあります。
そのため、派遣薬剤師として働く場合は、健康管理も徹底し、計画的に仕事をこなすことが重要です。

契約が切れる可能性があることも考慮する

派遣薬剤師は契約期間が明確に定められているため、契約満了後に更新が行われなかった場合、次の派遣先が見つかるまでの間は無収入となるリスクがあります。
特に、短期契約や単発の派遣業務では、頻繁に次の勤務先を探す必要があるため、安定した収入を得ることが難しい場合があります。

このリスクに備えるためには、複数の派遣会社に登録し、常に求人情報をチェックしておくことが重要です。

また、派遣会社との信頼関係を構築し、次の派遣先をスムーズに紹介してもらえるようにすることもポイントです。
特に、人手不足のエリアやニーズの高い職種を狙えば、次の契約を早く見つけることができる可能性が高まります。

派遣薬剤師はボーナスをもらえないのが一般的

派遣薬剤師はボーナスを貰えないと考えるのが一般的です。

ボーナスに関する規定は派遣会社や職場ごとに異なり、ボーナスを貰える可能性もありますが、薬剤師の派遣会社でボーナスが設定されていることは稀です。
そのため、ボーナスに関しては派遣薬剤師のデメリットとして捉えられる1つ。

ただ、ボーナスは支給されませんが、派遣薬剤師は正社員やパートよりも手取りが少なくなる働き方ではありません。

詳しくは下記記事で紹介しているので合わせてご確認ください。

参考記事:派遣薬剤師はボーナスを貰えるのか?【転職・求人情報を参考に解説】

派遣薬剤師のメリット・デメリット

年収も重要ですが、そもそも派遣薬剤師を選ぶメリット・デメリットを紹介します。

派遣薬剤師のメリット

派遣薬剤師の最大のメリットは、柔軟な勤務形態と高時給が挙げられます。
正社員と比べて時給が高めに設定されていることが多く、短期間で効率的に収入を得たい方に向いています。

また、週3日勤務や短時間勤務、単発派遣など、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べるため、子育てと仕事を両立しやすい利点があります。

さらに、複数の職場を経験することで、様々なスキルを身につけることができ、キャリアの幅を広げることも可能です。

派遣薬剤師のデメリット

一方で、派遣薬剤師にはいくつかのデメリットも存在します。
まず、契約期間が終了すると次の派遣先を探さなければならないため、収入が途切れるリスクがあります。

さらに、短期間の契約が多いため、職場での人間関係を深めにくいという課題もあります。

加えて、キャリア形成が一貫しにくくなる可能性もあるため、自分のキャリアプランをしっかりと持つことが重要です。

中田トモ
中田トモ

総合して、「柔軟な働き方」「高時給」という観点から子育てママにもおすすめの働き方です!

参考記事:派遣薬剤師とは?【職場別の働き方や派遣薬剤師のなり方も解説】

派遣薬剤師に関するよくある質問

最後に、派遣薬剤師に関するよくある質問にお答えします。

派遣薬剤師は何年間働くことが可能か?

派遣薬剤師として同一の派遣先で働ける期間は、原則として最長3年です。
これは、労働者派遣法により定められています。

労働者派遣法第35条では、「同一の組織単位での派遣労働者の受け入れは、3年を超えてはならない」と規定されています。

3年を超えて同じ派遣先で働き続ける場合、派遣先企業は派遣労働者を直接雇用(パート入社)するか、派遣労働者を別の部署に異動させる必要があります。

参考記事:派遣薬剤師の派遣期間は何年間?【最長何年間働けるのか】

派遣薬剤師はキツイですか?

派遣薬剤師の業務内容は基本的に正社員と同様であり、調剤、服薬指導、在庫管理などの業務をこなすことになります。

転職では必ず直面する観点だと思いますが、即戦力としての期待や職場環境、人間関係が理由でキツイと感じることもあります。

ただし、派遣薬剤師は働き方に柔軟性があるため、負担を軽減できるのがメリットです。

参考記事:派遣薬剤師の仕事はキツイのか?【実態と対処法を徹底解説】

まとめ

派遣薬剤師としての年収は、高い時給や専門性の高い職場選びによって大きく変動します。

病院、ドラッグストア、調剤薬局それぞれの勤務先によって年収に違いがあり、派遣薬剤師の年収を最大化するためには、時給が高い職場やニーズの高い職種を選ぶことが重要です。

ただし、休んだ分の年収減少や契約の不安定さには注意が必要です。
自分のキャリアに合った働き方を選び、充実した年収を目指しましょう。

本記事が派遣薬剤師への転職を考えるあなたの参考になっていれば幸いです。

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中田リョウ
中田リョウ
薬剤師。「妻の派遣薬剤師経験」×「派遣薬剤師経験者へのインタビュー結果」をもとにリアルな情報を発信。現在のインタビュー数は5名。これから派遣薬剤師になる人のお役に立ちたいと考えています。
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