派遣薬剤師の「デメリット」を経験者への本音インタビューから7つ紹介


派遣薬剤師として働くデメリットって何?これから派遣薬剤師を目指すので、対策も含めて理解しておきたい…。
と、悩んでいませんか?
派遣薬剤師は高時給や柔軟な働き方といったメリットがある一方で、雇用が安定しないなど、デメリットも存在します。
本記事では、派遣薬剤師の「デメリット」とは具体的にどんなものか、デメリットを軽減するための対策、失敗せず派遣薬剤師になる3つのステップをご紹介します。
この記事を書いた人

名前 / Nakata Ryo
中田 リョウ
実績 / Achievements
薬剤師。「妻の派遣薬剤師経験」×「派遣薬剤師経験者へのインタビュー」をもとにリアルな情報を発信。現在のインタビュー数は5名。
派遣薬剤師として働くデメリットとは?

早速、派遣薬剤師として働くデメリットをご紹介します。
私は、派遣薬剤師経験者へのインタビューでリアルな情報を取得しています。
インタビューで教えていただいた派遣薬剤師のデメリットを中心にご紹介します。

仕事がなくなるリスク
派遣薬剤師の最大のデメリットは雇用の不安定さです。
契約期間が満了すれば、必ずしも更新されるとは限りません。
派遣先の経営状況や方針転換により、突然仕事がなくなるリスクが常に伴います。
安定した収入を長期的に得たいと考える方にとっては、この点は大きな不安要素となるでしょう。

基本的な契約期間は3〜6ヶ月、同一施設は最長3年間です。
管理職への道がない
派遣薬剤師は、基本的に管理職への昇進パスがありません。
派遣という雇用形態は、あくまで一時的な労働力の補填という側面が強いからです。
薬局長やエリアマネージャーといった役職を目指すキャリアプランを描いている方には、派遣薬剤師は不向きと言えます。
将来的にマネジメント経験を積みたい場合は、正社員での就職を検討する必要があります。
スキルアップに繋がりにくい業務内容(対人業務中心)
派遣薬剤師の業務は、調剤や服薬指導といった定型業務が中心となることが多いです。
そのため、特定の専門分野を深く掘り下げたり、新しい知識や技術を習得したりする機会は限られがちです。
対人スキルは磨かれますが、専門薬剤師を目指すなど、高度なスキルアップを望む場合は自己学習や外部研修への参加が不可欠となり、物足りなさを感じる可能性があります。
派遣薬剤師が投薬ばかりと言われることについて詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。

職場環境による人間関係のストレス
派遣薬剤師は、短期間で職場が変わることが少なくありません。
新しい環境に都度適応する必要があり、人間関係の構築に苦労したり、疎外感を覚えたりする可能性があります。
派遣先のスタッフとの間に壁を感じたり、独自のルールに馴染めなかったりといった人間関係のストレスは、経験者が挙げる代表的なデメリットの一つです。

10案件以上経験した方のお話では、1/4程度の薬局で「派遣薬剤師に対して否定的」な見方があったとか。
派遣会社担当者とのやりとりでのストレス
派遣会社との連携も、ストレスの原因となることがあります。
担当者との相性が合わなかったり、希望条件がうまく伝わらなかったり、トラブル発生時の対応に不満を感じたりするケースです。
スムーズなコミュニケーションが取れない場合、仕事探しや就業中のサポートに支障をきたし、精神的な負担が増える可能性があります。

担当者の良し悪しは「運」みたいです。ただ、良いと言われる派遣会社は担当者の平均値も高い様子。
有給休暇の取得のしにくさ
派遣薬剤師も有給休暇を取得する権利はありますが、実際には取得しにくいと感じる場面があります。
派遣先の繁忙期や人員状況によっては、希望通りに休みを取りづらいことがあります。
また、契約期間が短い場合、十分に有給休暇が消化できないまま契約満了を迎えるケースも考えられ、福利厚生面での不満に繋がることがあります。
派遣薬剤師の休暇取得について詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。

ボーナス・退職金がない
派遣薬剤師の給与形態は時給制が一般的で、多くの場合、ボーナスや退職金は支給されません。
時給自体は高く設定されていることが多いですが、年収ベースで見ると、賞与のある正社員に及ばない可能性があります。
将来的な資産形成を考えると、ボーナスや退職金がない点は長期的な視点でのデメリットと言えるでしょう。
派遣薬剤師のボーナスや退職金について詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。


派遣薬剤師として働くデメリットへの対策は?

続いては、派遣薬剤師として働くデメリットへの対策をご紹介します。
派遣薬剤師のデメリットは複数ありますが、派遣薬剤師のメリットを理解・納得できれば対策可能です。
派遣薬剤師のメリットを理解
デメリットへの有効な対策として、派遣薬剤師ならではのメリットを正しく理解しておくことが挙げられます。
上記はデメリットと言われていますが、派遣薬剤師のメリットとしても評価されている部分です。
例えば、下記のような考え方もあります。
- ボーナスや退職金は無いが、高時給なので効率的に収入を得られる
- 管理職への道は無いが、大きな責任からは逃れられる
- 対人業務中心ではあるが、複数の薬局を経験できるので、様々な処方が見れてスキルアップに繋がる
メリット・デメリット双方を天秤にかけ、自分にとっての優先順位を明確にすることが、後悔しない働き方を選ぶための重要なステップとなります。
派遣薬剤師のメリットについて詳しく知りたい方は下記記事も合わせてご覧ください。

複数の派遣会社への登録
仕事が途切れるリスクを軽減するため、複数の派遣会社に登録しておくことをおすすめします。
これにより、より多くの求人情報にアクセスでき、条件の良い仕事を見つけやすくなります。
また、各社の担当者の対応や得意分野を比較検討することで、自分に合った派遣会社を見極めることができます。

派遣会社担当者とのやりとりでストレスを感じたら、会社に担当変更を申し出るのも手です。
単発派遣の検討
人間関係のストレスを避けたい、あるいは様々な職場を経験したい場合は、単発やスポットでの派遣を検討するのも一つの方法です。
単発派遣とは、1日〜数週間の短期派遣のことです。
短期間の勤務であれば、人間関係の悩みも深くなりにくい傾向があります。
また、自分の都合に合わせて柔軟に働けるというメリットもあります。
派遣薬剤師の単発派遣について詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。


一例として、ママ薬剤師が単発派遣を使い、子供の調子が良い時だけ効率的に働いています。
継続的なスキルアップ
派遣薬剤師として市場価値を維持・向上させるためには、継続的なスキルアップが不可欠です。
認定薬剤師の資格取得や、専門分野に関する研修への参加などを通じて、自身のスキルを磨きましょう。
スキルを高めることで、より条件の良い求人を紹介してもらえたり、契約更新に繋がったりする可能性が高まります。

良好な人間関係を築くには、挨拶などの基本的な部分に加えて、「問題なく仕事ができる人」であることも重要。
将来的な薬局開設の検討
派遣薬剤師として高時給で働き、資金を貯めて将来的に自身の薬局を開設するというキャリアパスも考えられます。
派遣で様々な薬局の運営方法を学ぶことも、独立に向けた貴重な経験となるでしょう。
明確な目標を持つことで、派遣期間中のモチベーション維持にも繋がります。

派遣薬剤師は様々な職場を経験するので、「薬局運営ノウハウ」や「従業員の不満」など、効率的に学べるようです。
派遣薬剤師に向いている人とは?

続いては、派遣薬剤師に向いている人をご紹介します。
高時給を重視する人
給与、特に時給の高さを最優先する人にとって、派遣薬剤師は魅力的な働き方です。
短期間で効率的に収入を得たい、あるいは特定の目的のために資金を貯めたいという方には適しています。
福利厚生よりも、目先の収入を重視するタイプの人に向いていると言えるでしょう。
柔軟な働き方を求める人
勤務地、勤務時間、働く期間などを自分でコントロールしたい人には、派遣薬剤師が合っています。
子育てや介護との両立、趣味や学習とのバランスを取りたいなど、ライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすいのが特徴です。
フルタイム以外の働き方を希望する方にもおすすめです。
繋ぎ・副業目的の人
転職活動中の繋ぎとして一時的に働きたい、あるいは現在の収入にプラスして副業として薬剤師の資格を活かしたいという人にも、派遣薬剤師は適しています。
必要な期間だけ、あるいは空いた時間を利用して働くことができるため、様々な状況に対応しやすい働き方です。
副業で派遣薬剤師をするには注意点も存在するため、詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。

派遣薬剤師に向いていない人とは?

続いては、派遣薬剤師に向いていない人をご紹介します。
管理職を目指したい人
将来的に薬局長やエリアマネージャーなど、管理職としてのキャリアアップを目指している人には、派遣薬剤師は基本的に不向きです。
派遣という立場では、薬局運営の中核に関わる機会や昇進のチャンスはほとんどありません。
キャリアパスとしてマネジメントを考えている方は、正社員での就職を目指すべきでしょう。
長期的な安定勤務を望む人
雇用や収入の安定性を最重視する人にとって、派遣薬剤師はリスクの高い働き方と言えます。
契約更新の保証はなく、景気や派遣先の都合で仕事がなくなる可能性があるためです。
一つの職場で腰を据えて長く働きたい、安定した生活基盤を築きたいという希望を持つ方には、正社員の方が適しています。
環境変化への適応が苦手な人
短期間で職場が変わり、その都度新しい環境や人間関係に適応していく必要があるのが派遣薬剤師です。
新しい環境に馴染むのが苦手だったり、変化に対してストレスを感じやすい人には、負担が大きい働き方かもしれません。
安定した環境で落ち着いて業務に取り組みたい方には、不向きと言えるでしょう。
失敗しない!派遣薬剤師になるための3ステップ

続いては、失敗せずに派遣薬剤師になるためのステップをご紹介します。
半年~1年程度の調剤経験
派遣薬剤師は即戦力として期待されるため、多くの場合、一定期間の調剤実務経験が求められます。
目安として、半年から1年程度の調剤経験があると、紹介される求人の幅が広がります。
未経験やブランクがある場合は、まずパートなどで経験を積むことを検討しましょう。

派遣薬剤師は「未経験」でもなれます。ただ、調剤経験はあった方が無難です。
未経験から派遣薬剤師になることについて、詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。

明確なキャリアパスの設定
なぜ派遣薬剤師として働くのか、今後どのようなキャリアを描いているのかを明確にしておくことが大切です。
一時的な収入アップのためか、特定のスキルを身につけるためか、将来の独立のためかなど、目的意識を持つことで、派遣会社との交渉や仕事選びがスムーズになります。

管理職を目指す場合など、ダラダラ派遣薬剤師を続けていると、機会を逃してしまう可能性もあります。
希望条件に合う派遣会社への登録
派遣会社によって、「全国展開」や「単発派遣が可能」など、得意なエリアや求人の種類、担当者のサポート体制などが異なります。
自身の希望条件(勤務地、時給、期間、業務内容など)を明確にし、それに合った強みを持つ派遣会社を選び、登録することが重要です。
複数の会社を比較検討することをお勧めします。
おすすめの薬剤師の派遣会社について、詳しく知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。

派遣薬剤師に関するよくある質問

最後に、派遣薬剤師に関するよるある質問をご紹介します。
薬局が派遣薬剤師を雇うデメリットは?
薬局側から見ると、派遣薬剤師を雇うデメリットとしては、
- 直接雇用に比べて時給コストが高くなること
- 教育や指導に手間がかかる場合があること
- 短期間での入れ替わりによる業務の非効率化
- スタッフの帰属意識の低下
などが挙げられます。
派遣薬剤師の仕事はキツイ?
一概にキツイとは言えませんが、職場によっては忙しい場合もあります。
高時給が設定されている背景には、即戦力としての高いパフォーマンスを期待されていることがあります。
また、短期間での環境変化や人間関係の構築にストレスを感じる人もおり、その点で「キツイ」と感じる可能性はあります。
参考記事:派遣薬剤師の仕事はキツイのか?【実態と対処法を徹底解説】
派遣薬剤師になるための条件は?
派遣薬剤師になるための必須条件は、まず薬剤師免許を持っていることです。
さらに、人材派遣会社に登録・所属する必要があります。派遣会社が雇用主となり、仕事を紹介する仕組みだからです。
多くの場合、即戦力として調剤の実務経験も求められており、条件をクリアすれば、派遣薬剤師として活躍できます。
派遣薬剤師の年収は?
派遣薬剤師の時給は高い傾向にありますが、ボーナスや退職金がないため、年収ベースで見ると必ずしも正社員より高くなるとは限りません。
勤務日数や時間、契約期間によって大きく変動します。
フルタイムで継続的に働けば高年収も可能ですが、安定性には欠ける側面があります。
まとめ
派遣薬剤師として働くことには、高時給や柔軟な働き方ができるといったメリットがある一方で、雇用の不安定さやキャリアアップの限界、福利厚生面でのデメリットも存在します。
経験者の声からも、これらのデメリットを理解し、対策を講じることが重要です。
派遣薬剤師が自分に合った働き方なのかどうかは、個々の価値観やライフプラン、キャリアに対する考え方によって異なります。
メリットとデメリットを十分に比較検討し、後悔のない選択をしてください。この記事が、あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。